分類学的には11科21属約560種からなる「食虫」能力を持つ植物の総称である(数については学者により諸説ある).
多くの種を持つ属は限られており、一般に普及・流通しているのはモウセンゴケ(ドロセラ)属(Drosera)、ウツボカズラ(ネペンテス)属(Nepenthes)、
ハエトリソウ(ディオネア)属(Dionea)、ヘイシソウ(サラセニア)属(Sarracenia)、ムシトリスミレ(ピンギクラ)属(Pinguicula)である.
食虫植物は捕虫様式により、
(1).トリモチ式 (2)落とし穴式 (3).はさみこみ式
に分けられる.
(1)の代表種はモウセンゴケである.
ネバネバした粘液を葉の表面より分泌して虫を捕獲、消化する.
しかもモウセンゴケは動く.
虫がもがけばもがくほど繊毛が巻き付いてくる.
アフリカナガバモウセンゴケ(Drosera capensis)などは運動量が大きく、
動いているのがよくわかる.
このタイプに含まれるものは
モウセンゴケ科Drosera属、Drosophyllum属、
ビブリス科Byblis属、Roridula属、
タヌキモ科Pinguicula属などがある. |
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(2)の代表種はサラセニア、ウツボカズラである.
これらは筒状の葉の中に消化液を満たしており
落ち込んだ虫を消化、吸収してしまう.
細長い筒を持つものは上から下に向かって短い毛が生えており、
上から下へは行けるが、下から上には戻れないという
行きはよいよい帰りは恐い状態である.
(左は蟻が入っていく様子)
このタイプに含まれるものは
ヘイシソウ科Sarracenia属、Darlingtonia属、Heliamphora属、
ウツボカズラ科Nepenthes属、
フクロユキノシタ科Cephalotus属がある. |
(3)の代表種は言わずと知れたハエトリソウである.
特異に変化した葉の内部の感覚器に虫が触れると
すばやく葉を閉じて虫を閉じ込め1週間ほどかけてゆっくり消化する.
このタイプに含まれるものは
ハエトリソウDionaea muscipulaだけである.
(ムジナモも含む?) |
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